簡単なアンケートに答えて見積もりスタート
厳選ドローン業者をご紹介
太陽光発電の装置は比較的耐久性が高く、メンテナンスフリーといわれることも少なくありません。
しかし、10年20年と太陽光発電の性能を維持するには、定期的なメンテナンスや保守点検が必要です。
今回は太陽光発電のメンテナンスについて、メンテナンスの種類や費用相場、保守点検との違いを解説します。太陽光発電のメンテナンスを検討中の方はぜひ参考にしてください。
太陽光発電は、定期的なメンテナンスが必要といわれています。その主な理由として、以下の4点が挙げられます。
詳しく見ていきましょう。
太陽光発電の機器は比較的寿命が長いため、不具合や故障に気付きにくいといわれています。しかし、不具合や故障に気付かずそのままにしておくと、少しずつ発電量が減っていくので注意が必要です。
太陽光パネル(モジュール)は、経年劣化によって発電効率が低下してしまいます。一般的には、設置後10年が経過すると発電効率が平均95~97%まで低下し、20年が過ぎる頃には80~85%台にまで下がるといわれています。
また、鳥のフンなどの汚れの付着も発電量の減少につながります。太陽光パネルを定期的にメンテナンスすれば、こうした発電効率の低下を防ぐことが可能です。
2017年に施行された「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法等の一部を改正する法律(通称:改正FIT法)」では、太陽光発電のメンテナンスを義務と定めています。
「改正FIT法」とは、再生可能エネルギーの固定価格買取制度です。これは事業者や個人が再生可能エネルギーで発電した電力を、電力会社が一定期間、一定の価格で買い取るよう国が定めた制度です。改正FIT法で認定されれば、一般住宅で発電して余った「余剰電力」を電力会社に売ることができます。
しかし、余剰電力を売る場合は、再生可能エネルギーの装置(この場合太陽光発電システム)の定期的なメンテナンスが義務となります。メンテナンス義務を怠ると罰則が科され、場合によっては売電ができなくなってしまいます。
売電しないのであれば、メンテナンス義務はありません。太陽光発電の余剰電力を売ろうと考えている人は、メンテナンスが法律で定められていることを覚えておきましょう。
【関連記事】太陽光発電のメンテナンス義務化とは?罰則や費用、頻度も解説
2022年の秋頃から、太陽光発電の保険料が上がってきています。また、損害が起きた際の補償金額が少なくなり、その分自己負担額の割合が大きくなりつつあります。
万が一太陽光発電機器に何かあっても、補償額が低いとあまり保険の恩恵を受けられません。保険を100%あてにするのではなく、こまめにメンテナンスを実施して故障や破損、劣化を防ぎましょう。
近年、台風や豪雨、落雷、豪雪といった自然災害が増加傾向にあり、自然災害が原因で太陽光パネルや架台が破損し故障するケースが増えています。
太陽光発電設備の故障や破損は、発電量が減少するだけでなく、第三者に被害を与えてしまうリスクがあります。例えば太陽光パネルのボルトが緩んでいた場合、強風によってパネルが飛ばされ、歩行者にぶつかってしまうかもしれません。「かもしれない」を防ぐためにも、定期的なメンテナンスは必要です。
太陽光発電設備の「メンテナンス」と「保守点検」は、作業内容が異なります。それぞれの内容は以下の通りです。
太陽光発電のメンテナンス | 太陽光パネルやパワーコンディショナーなどの機器の清掃や交換を行う |
太陽光発電の保守点検 | 設備の破損・故障、性能低下などが起きていないか定期的な点検を行う |
メンテナンスは太陽光発電設備の清掃や修理、交換を行うのに対し、保守点検は目視や特殊な機器を用いて設備を点検することを指します。それぞれの作業内容をもう少し詳しく見ていきましょう。
太陽光発電のメンテナンスでは、太陽光パネルの表面に付着した鳥のフンや部品の砂埃を清掃します。また、ボルトが緩んでいる、フレームやケーブルが破損しているなど設備に不具合があった場合は修理を行います。このとき、必要に応じて機器を交換することもあります。
太陽光発電の保守点検は、「目視点検」と「電気点検」の2つに分けられます。
目視点検では、太陽光パネルやパワーコンディショナーといった機器類と、パネルの架台やケーブルといった部材の状態を目視で確認します。汚れやサビ、破損などの異常を発見したら、修理や交換などのメンテナンスを行います。電気点検では、測定機器で電流や発熱の数値を測りながら、設備の状態を確認します。
ただし、目視点検だけでは分からない不具合もあるため、年に1回程度は専門家による詳細な点検も推奨されています。
また、近年では、ドローンを活用して保守点検を行う業者が増えつつあります。高性能カメラを用いた目視点検はもちろん、赤外線カメラを搭載したドローンなら、電気点検も可能です。
メンテナンスの内容は、太陽光発電協会と日本電機工業会が「太陽光発電システム保守点検ガイドライン(住宅用)」に具体的にまとめているので、ガイドラインを参考にすると良いでしょう。
一例として、以下のようなメンテナンスがあります。
1つずつ見ていきましょう。
太陽光パネルの洗浄は、よく行われるメンテナンスです。鳥のフンなどの汚れが太陽光パネルに付着すると、その部分が影になり、「ホットスポット」などの故障の原因になります。ホットスポットは影の箇所が発熱する現象で、異常な熱を帯びることで太陽光パネルにダメージを与えてしまいます。こまめな洗浄は、太陽光パネルの維持には必須です。
太陽光パネルの洗浄には高圧洗浄機を使う場合もありますが、パネルのメーカーによっては使用が禁止されているので、事前に確認しておきましょう。
太陽光パネルの架台のボルトがゆるんでいたり、パネルに割れや破損があった場合は、適宜修理や交換を行います。メーカの保証期間内であれば、パネル交換を無料で行える場合があります。保証期間をよく確認しましょう。
パワーコンディショナーとは、太陽光パネルで発電した電気を家庭などで使える電力に変換する機器です。太陽光発電の心臓ともいわれるパワーコンディショナーは、定期的なメンテナンスが欠かせません。
パワーコンディショナーは、目視点検で悪臭や異音、汚れ、フィルターの詰まりがないか確認します。パワーコンディショナーの寿命は一般的に10~15年といわれているので、設置後10年を目安に交換を行いましょう。保証期間内であれば、無料で交換してもらえる可能性があります。
パワーコンディショナー本体とあわせて、ケーブルやコネクタといった機器も点検します。消耗していた場合は、新しい機器への交換が必要です。
ケーブルや配線の接続部分に劣化や損傷がないか、目視点検します。接続に不具合が生じると発電効率が落ちるだけでなく、ケーブルが焼損して火災の原因になる可能性もあります。
もし不具合を発見した場合は、すみやかな対処が必要です。
太陽光パネルが正常に機能しているか、電気点検と目視点検で確認します。
電気点検では専用の測定器を用いて、太陽光パネル単位の開放電圧やIVカーブといった各数値を測定します。かなり専門的な内容のため、太陽光発電の性能測定を専門で行っている機関に依頼するのがおすすめです。
目視点検では、サーモグラフィーでパネル表面の温度を調べます。本来電気になるはずの太陽エネルギーが正常に出力しなくなると、太陽光パネルの表面の温度が上昇します。パネル表面に温度差が生じている場合は異常が考えられるので、速やかなメンテナンスが必要です。
近年は、目視点検の際にサーモグラフィを搭載したドローンを活用する点検業者が増えています。正確な診断が行えるだけでなく、人件費を抑えられる点が魅力です。
太陽光発電のメンテナンス費用は、どの範囲までメンテナンスするかによって変わります。住宅用の太陽光発電システムを想定して、各メンテナンスの費用相場を表にまとめました。
メンテナンス内容 | 費用相場 |
太陽光パネルの洗浄 | 500~1,000円 / 1枚 |
太陽光パネルの交換 | 10~15万円 / 1枚 |
パワーコンディショナーの修理 | 3万円 / 1台 |
パワーコンディショナーの交換 | 20~30万円 / 1台 |
各設備の目視・電気点検 | 1~3万円 |
上記にプラスして、足場設置費用として5~10万円ほどかかります。メンテナンス時間の短縮やコストダウンのために、目視点検にドローンを活用するケースもあります。
太陽光発電のメンテナンスを自分でできるか気になる方もいるかもしれません。結論として、自分でメンテナンスを行うのはおすすめできません。
太陽光パネルの表面の汚れを確認する程度であれば個人でも可能ですが、清掃や部品交換となると難しいでしょう。住宅用の太陽光パネルは屋根に設置されている場合が多く、慣れない個人が無理に登ろうとすると転落する恐れがあります。また、電気点検や太陽光パネルの交換は専門業者に任せるべきです。
専門業者は、「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」の内容を把握し、それに準じたメンテナンスを行います。安全性とメンテナンスの正確さを求めるならば、専門の点検業者に依頼しましょう。
太陽光発電の目視点検には、ドローンの活用がおすすめです。太陽光パネル表面の汚れの付着具合や温度差の確認など、人力だと時間がかかる点検も、ドローンなら短時間で行うことができます。また人件費を削減できる分、点検費用も抑えられるでしょう。
近年ではドローンを積極的に利用する計測会社が増えつつあります。ドローン自体の性能も上がってきているので、メンテナンス費用を抑えたい方はドローンの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
太陽光発電の性能を維持するには、定期的な保守点検とメンテナンスが必須です。特に余剰電力を売電する場合は、メンテナンスが義務となります。
太陽光発電のメンテナンス内容はさまざまで、どの部分を重点的に見るべきか専門知識がないと分かりづらいのが実情です。安全で正確なメンテナンスを行うためにも、点検やメンテナンスは専門業者に依頼するようにしましょう。