点検 2024.03.27

屋根修理は火災保険の対象になる?適用条件や申請手順などを解説

#屋根#火災保険

最終更新:2024.03.27

台風や地震で屋根が破損した場合、火災保険で屋根修理が適用できるのか気になる方も多いでしょう。また、屋根の修理業者から「屋根修理に火災保険が適用される」と聞いて、本当なのか調べている方もいるでしょう。

 

そこで今回は、屋根修理に火災保険は使えるのかについて解説します。

適用になる条件をや申請するときの手順なども解説しますので、ぜひ参考にしてください。

 

屋根修理に火災保険は使える?

屋根修理は数十万円〜数百万円の費用がかかるため、屋根修理に火災保険を利用したいと考える方も多いでしょう。

 

結論として、屋根修理に火災保険を使うことは可能です。

 

ただし、火災保険は「予期せぬ突発的な災害や事故」で起こった家や家財の損害を補償するものであるため、すべての屋根修理に火災保険が適用されるわけではありません。

 

さらに、加入している火災保険の種類によっても、補償の対象が変わります。

 

そのため、一概に屋根修理に火災保険が使えるとは言い切れないものの、条件を満たしている場合は補償を受けられる可能性があります。

 

屋根修理で火災保険が適用になる条件

屋根修理は、以下の3つの条件を満たしていれば火災保険を使って修理が可能です。

  • 風災・雪災・雹災などの自然災害によるものである
  • 損害発生から3年以内である
  • 屋根修理の費用が免責金額を超える

 

では、一つひとつの条件を詳しく見ていきましょう。

風災・雪災・雹災などの自然災害によるものである

火災保険は「予期せぬ突発的な災害や事故」で起こった家や家財の損害を補償するものであり、具体的には風災・雪災・雹災が挙げられます。

【風災・雪災・雹災にあてはまる災害の例】

  • 台風
  • 暴風
  • 竜巻
  • 大雨
  • 大雪
  • 雪崩

 

上記のような災害で、屋根が破損した場合が条件の一つとなります。

 

また、地震による被害の場合は「地震保険」に加入していれば補償の対象となりますが、火災保険は補償対象外であるため注意してください。

 

そのほか、窃盗や洪水、高潮などの被害は、火災保険の基本プランに含まれておらず、オプションで加入しなければならないケースが多いため確認しておきましょう。

損害発生から3年以内である

火災保険が申請できるのは、損害が発生したときから3年以内に行われた補修工事のみです。

 

たとえば、台風で屋根の一部が破損し、4年後に補修工事を行う場合、火災保険は適用されません。

 

ただし、被災してからいったん自費で補修工事を行い、3年以内に火災保険を申請する場合は適用対象となります。

 

なお、損害が発生したときとは、「災害の発生日」が起点となります。災害発生日は、保険会社が気象図や風速などを調査して決定します。損害を発見した日ではないので注意しましょう。

屋根修理の費用が免責金額を超える

これまで解説した条件にプラスして、屋根修理の費用が免責金額を超えるという条件も満たす必要があります。

 

免責金額とは、簡単に表現すると自己負担金額のことです。免責金額は「フランチャイズ式」と「エクセス方式」の2種類があり、やや仕組みが異なります。

 

  • フランチャイズ式:損害額が免責金額を超えると全額補償される
  • エクセス方式:損害額が免責金額を超えた場合、損害額から免責金額を差し引いた金額が補償される

 

免責金額を20万円として火災保険に加入している場合、以下のような違いが出てきます。

 

【免責金額20万円の場合】

損害額 フランチャイズ式 エクセス方式
10万円 保険金:0円

自己負担:10万円

保険金:0円

自己負担:10万円

30万円 保険金:30万円

自己負担:0円

保険金:10万円

自己負担:20万円

100万円 保険金:100万円

自己負担:0円

保険金:80万円

自己負担:20万円

 

いずれの方式であっても、損害額が免責金額を下回る場合は火災保険は適用できません。

 

屋根修理で火災保険が適用にならない代表的なケース

火災保険が適用になる条件を解説しましたが、反対に適用にならないケースはどういったときでしょうか。

 

ここでは、屋根修理で火災保険が適用にならない代表的なケースを紹介します。

経年劣化

経年劣化によって屋根修理が必要になった場合は、火災保険を利用できません。

 

経年劣化とは、時間とともに品質や性能が低下することです。

 

ただ、屋根は常に雨や風、紫外線にさらされていることから経年劣化が生じるのは仕方がありません。しかし、災害によって生じた損害ではなく、経年劣化によって屋根が破損したと判断される場合は補償対象外となります。

 

関連記事:経年劣化による屋根修理は火災保険の対象外?適用の条件やポイントを解説

業者による施工不良

業者の施工不良によって屋根修理が必要になった場合も、火災保険の補償対象外となります。

 

たとえば、屋根の葺き替え工事を行った際に施工不良が生じ、施工後すぐに雨漏りが発生したといった場合、補修費用を火災保険でまかなうことはできません。

 

その場合、業者による保証があるのか確認する、ない場合も交渉するなどして対応しましょう。

故意に生じさせたもの

屋根を故意に破損させて、火災保険で屋根修理を進めようとした場合も、当然ですが補償対象外となります。

 

具体的には、屋根に石を投げて屋根材を破損させ、台風で被害が生じたように見せかけるといったケースです。

 

火災保険を申請すると、保険会社が申請内容や破損状況などを調査し、保険適用かを判断します。仮に故意に生じさせたことが分かった場合、保険金詐欺として犯罪になる可能性があるため注意してください。

 

屋根修理で火災保険を申請するときの手順

火災保険の申請をスムーズに進めるためにも、基本的な手順を知っておくことが大切です。ここでは、屋根修理で火災保険を申請するときの手順を見ていきましょう。

 

【屋根修理で火災保険を申請するときの手順】

  1. 保険会社に問い合わせて申請書類を入手する
  2. 屋根の修理業者から「工事の見積書」と「被災箇所の写真」をもらう
  3. 申請書類に必要事項を記入し、保険会社に送付する
  4. 保険鑑定人の調査を受ける
  5. 調査結果を待つ
  6. 申請の受理と保険金の支払い

 

以上が基本の流れとなります。

 

なお、火災保険を申請するときに必要な書類は以下の4つです。

  • 工事の見積書
  • 被災箇所の写真
  • 保険金請求書
  • 事故状況説明書

 

工事の見積書と被災箇所の写真については、屋根の修理業者からもらうようにしてください。

 

▶屋根点検事業者を探す

 

また、火災保険の申請後、申請内容に誤りがないかを判断するために、保険会社から保険鑑定人が派遣されることがあります。鑑定結果に問題がなければ申請が受理され、保険金が支払われます。

火災保険で屋根を修理するときにすべきことは?

台風などで自宅の屋根に損害が生じた場合、火災保険が適用される可能性が高いことはわかっていても、まず何をすべきかわからない方も多いでしょう。

 

ここでは、火災保険で屋根を修理するときにすべきことを解説します。

屋根の状況を把握するために専門業者に調査を依頼する

まず、屋根の状況を把握するために、専門業者に調査を依頼してください。

 

また、屋根修理は業者によって修理費用やサービス、対応などが異なります。そのため、複数の業者に依頼し、屋根点検を依頼しましょう。

 

複数の業者に点検を依頼することで、正確な屋根の状態を把握することにつながるからです。さらに、見積もりが比較できるため、適正価格を判断するのにも役立ちます。

 

なお、専門業者に調査を依頼するときは、事前に火災保険の申請を考えている旨を伝えておくことをおすすめします。火災保険の申請を前提に、現地調査や見積もり作成を進めてくれるでしょう。

 

ドローンによる屋根調査も可能

従来、屋根調査といえば、作業員が屋根の上に登って点検するのが一般的でした。しかし、最近では、ドローンで屋根点検を行うケースが増えています。

 

ドローンを利用することで、屋根に直接登らずに点検できるため、安全に作業できることがメリットの一つです。さらに、ドローンによる屋根調査は、従来の屋根点検の方法と比較して、短時間かつコストを抑えることができます。

 

ドローンによる屋根点検に興味がある方は、一度、専門業者に相談してみるとよいでしょう。

 

▶ドローン屋根点検事業者を探す

 

なお、ドローンによる屋根点検は以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

関連記事:ドローンによる屋根点検のメリット・デメリット!費用相場や点検の流れについても解説

保険会社に連絡して資料請求や相談を行う

保険会社に連絡し、資料請求や相談を行うことも火災保険を申請するときに行うべきことの一つです。

 

とくに大きな災害が発生した場合、保険会社に問い合わせが集中し、対応してもらえるまでに時間がかかることが予想されます。そのため、台風などの災害で屋根に損害が生じたとわかった時点で、保険会社に連絡するようにしてください。

 

保険会社への連絡が遅くなると、その分、保険金が支払われるまでに時間がかかることになります。いったん自費で修理できる場合は問題ありませんが、保険金を受け取ってから修理を進めたいと考えている場合、少しでも早く保険会社に連絡することをおすすめします。

火災保険の契約書を確認する

火災保険を申請する機会は多くないため、そもそも加入している保険の内容がわからない方もいるでしょう。

 

その場合、まずは火災保険の契約書を確認してください。

 

建物のみ、家財のみの補償なのか、建物と家財の両方が補償されるのかといった点や、免責金額を設定しているのか、特約は付いているのかなどを確認しましょう。

 

契約書を紛失した場合は、保険会社に問い合わせると確認できます。契約内容を正しく把握しておかなければ、保険金の請求をスムーズに進められない可能性があるため注意しましょう。

 

火災保険を利用した屋根修理トラブルには注意を!

条件を満たしていれば、火災保険で屋根修理が可能です。

 

しかし、経年劣化によって屋根修理が必要になっているにもかかわらず、「火災保険の保険金で、自己負担なしで屋根修理ができる」などのセールストークを使って、屋根修理を契約させようとする悪徳業者もいます。

 

そのため、トラブルに巻き込まれないためにも、火災保険を利用して屋根修理を提案する悪徳業者の特徴を知っておくことが大切です。

 

【悪徳業者による火災保険と屋根修理を巡るトラブルの例】

  • 保険料から手数料を取ろうとする
  • 悪徳業者が高額な見積書を作成して保険金を請求し、実際に保険金がおりた後に請求手数料として高額な費用を請求する
  • 火災保険の適用範囲外であると知りながら申請させようとする
  • わざと屋根を破損させて被害が生じたように見せかけ、火災保険の請求を進めさせようとする

 

悪徳業者の提案を鵜呑みにしてしまうと、高額な手数料を取られたり、気付かないうちに虚偽の内容で火災保険を申請して詐欺罪になったりと、大きなトラブルに発展する可能性があるため注意してください。

 

屋根修理で火災保険が適用になる条件や申請手順を知っておこう

今回は、屋根修理は火災保険の対象になるのかについて解説しました。

 

屋根修理に火災保険を使うことは可能ですが、いくつかの条件を満たしている必要があり、すべての屋根修理に火災保険が適用されるわけではありません。

 

また、火災保険で屋根を修理するときは、まず屋根の状況を把握するために、専門業者に調査を依頼してください。

 

なお、最近では屋根調査にドローンを活用するケースが増えています。ドローンを使うことで、屋根の上に作業員が登って点検する必要がなくなり、安全性の高い調査が可能です。

 

さらに、ドローンに搭載したカメラで屋根を撮影するため、従来の屋根点検の方法と比較して、短時間かつコストを抑えて調査ができます。

 

ドローンによる屋根点検に興味がある方は、一度、専門業者に相談してみるとよいでしょう。

 

ドローン業者に点検のお見積りやご相談を希望の方はお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

 

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