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従来は作業員が点検を実施していた太陽光パネルですが、最近ではドローンを使って点検するケースが増えています。
しかし、
「ドローンで太陽光パネルを点検できるって聞いたけど本当?」
「ドローンによる太陽光パネルの点検ってどんなメリットがあるの?」
など、疑問を持っている方も多いでしょう。
そこで今回は、ドローンで太陽光パネルを点検する方法やメリット・デメリット、費用相場などを解説します。太陽光パネルの点検を効率化したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
ドローンによる太陽光パネルの点検とは、赤外線カメラを搭載したドローンを使って太陽光パネルを空撮し、撮影したデータを解析して異常を見つける点検方法です。
では、ドローンによる太陽光パネルの点検方法について、具体的に見ていきましょう。
ドローンを使って太陽光パネルを点検するときは、太陽光パネルの配置図や位置情報などから、現場の安全確認やドローン飛行が法律・条例に定められている制限の対象かなどを確認します。そのうえで、現地調査が行われ、天候などを加味して検査日を決めます。
実際に、太陽光パネルの点検を実施するドローンは、位置情報の検知が可能であり、なおかつ専用アプリを使って自動飛行が可能です。GPSからの正確な位置情報を取得できることで、最適な飛行ルートを設計でき、さらに自動飛行が可能であるため、操縦者の技術によって点検精度が落ちることもありません。
また、場所によっては手動による点検も可能であるため、入念に調べたい箇所などは別途撮影ができます。
太陽光パネルの点検を実施するドローンは、赤外線カメラを搭載しており、空撮を行うのが次のステップです。
赤外線カメラを通して太陽光パネルを見ることで、温度検知によって異常を見つけられます。たとえば、太陽光パネルが局所的に発熱して高温になると不具合である「ホットスポット」や「フィルタの目詰まり」などが発生し、温度異常が検知されます。
ドローンを使うと、広範囲を一気に温度測定できるため、効率的な点検が可能です。
ドローンで太陽光パネルの点検を実施する際、撮影したデータを解析するステップもあります。
ホットスポットやフィルタの目詰まりによる不具合の場合、温度異常によって不具合を検知できます。しかし、太陽光パネルの下から生える雑草や鳥のフン、汚れなどで発電量が低下しているといったケースもあり、撮影したデータを解析し、どのような異常があるのかチェックする工程が必要だからです。
そして、解析したデータをもとに、今後どのような修繕・メンテナンスが必要かを決めていく流れとなります。
太陽光パネルの点検は、発電量を維持したり、火災などのトラブルを未然に防いだりするために欠かせないものです。そのため、太陽光パネルの容量などによっては、点検が義務化されているケースがあります。
太陽光パネルの点検の実施義務があるにもかかわらず、適切な点検を実施していなければ、事故やトラブルにつながる可能性があるため、どのような条件に該当する場合に点検義務化の対象となるのか見ていきましょう。
【太陽光パネルの点検義務化の対象となるケース】
上の二つの条件を満たしている場合、太陽光パネルの点検を実施しなければなりません。
定期的に点検を行わなかった場合は、指導・助言、改善命令、FIT認定取り消しといった厳しい罰則を受ける可能性があります。
なお、点検義務の対象でない太陽光発電システムでも、発電量や安全性を維持するために、定期的な点検を実施すべきであるといえるでしょう。
ドローンを使った太陽光パネルの点検には、複数のメリットがあります。
従来の点検方法と比較して、具体的にどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
ドローンによる太陽光パネルの点検は、従来の点検方法と比較して、精度の高い点検が可能になることがメリットです。
従来の点検方法は、作業員が手作業で太陽光パネルをチェックしていたため、見えづらかったり、見落としがあったりして、点検精度にバラつきが出やすいことが懸念点でした。
しかし、ドローンに搭載した赤外線カメラで太陽光パネルを撮影すれば、見晴らしのよい上空から点検できるため、広範囲から見落としを防いで点検できます。さらに、機械的に点検を実施するため、精度にバラつきが出ないことも魅力です。
ドローンによる太陽光パネルの点検は、点検にかかる時間や人員を削減できることもメリットの一つです。
広範囲の太陽光パネルを1枚ずつ手作業で点検する従来の方法と比較して、ドローンを使った点検は上空から撮影するだけで済むため、点検にかかる時間や人員を大幅に削減できます。
たとえば、2,000kW規模の高圧連系の発電所であれば、15〜20分間空撮するだけで済みます。従来の方法で、同規模の太陽光発電施設を点検する場合、1〜2日間かかるうえに、作業員の数も増やさなければなりません。
ドローンによる太陽光パネルの点検は、空撮後に撮影したデータを解析する時間はかかりますが、従来の方法と比べて大幅に時間と人員を削減できるのです。
ドローンによる太陽光パネルの点検は、従来の点検方法と比較して、時間や人員を削減できることから、点検費用を抑えやすいこともメリットとして挙げられます。
点検費用は施設の規模や場所などで変わりますが、実際に従来の方法と比較して費用削減につながった例があります。
また、1回あたりの点検費用が安くなることで、点検頻度を増やしやすくなるのも魅力です。点検頻度が増えれば、異常を早く見つけることができ、安全性を維持しやすいうえに、結果的に修繕・メンテナンスコストを安くすることにもつながります。
太陽光発電システムのなかには、屋根やカーポートの上、山の中など点検しにくい場所に設置されている事例も多くあります。
従来の点検方法では、太陽光パネルの設置場所によっては、落下などの危険が伴っていました。しかし、ドローンであれば、安全な場所からドローンを操縦するだけで点検できるため、危険を回避しながら点検できます。
ドローンによる太陽光パネルの点検では、撮影した画像・映像から点検報告書を作成できるというメリットもあります。
従来の点検方法では、異常が確認された太陽光パネルを見つけたら現場でマップに書き込み、そこから点検報告書を作成するというアナログな方法が用いられていました。
しかし、ドローンによる太陽光パネルの点検なら、すべての点検記録がデータ化されているため、そこから報告書を作成し、クラウド上にアップするだけで作業が簡潔します。
ドローンも用いることで点検報告書の作成をデジタル化できます。従来の方法と比較すると、点検報告書の作成にかかる時間を90%削減可能だとされており、点検時間以外の工程も効率化につながるのです。
ドローンによる太陽光パネルの点検は、時間やコストを削減できたり、安全性が高まったりと、さまざまなメリットがあります。しかし、デメリットや課題がないわけではありません。
では、ドローンによる太陽光パネルの点検は、どのようなデメリットや課題があるのか見ていきましょう。
ドローンによる太陽光パネルの点検は、天候に左右されやすいことがデメリットの一つです。
強風や大雨などの悪天候ではドローンを飛ばせないため、あらかじめ天候を予測して点検実施日を決める必要があります。また、点検当日に天候が悪くなれば、急遽、延期・中止となる可能性もあるでしょう。
また、温度を可視化する赤外線カメラを使用するため、太陽光パネルが濡れていたり、雪が積もっていたりする状態では正確にデータを取れないことも課題です。
「ドローンを飛ばして太陽光パネルを点検できるなら、内製化できるのではないか?」
と考えている経営者の方もいるでしょう。
しかし、ドローンを正確に操縦するためには、技術力や経験が必要です。また、屋外でドローンを飛ばすことは、さまざまな法律や条例で規制されています。法律や条例を守るためにも、ドローンに関係する規制を理解したうえで、必要に応じて許可や承認を得なければなりなりません。
さらに、撮影したデータから異常の有無を調べるときも、専門的な知識が必要となります。
このように、ドローンによる太陽光パネルの点検は、専門的な知識や技術が必要になるため、専門業者に依頼するのが基本です。
ドローンによる太陽光パネルは、従来の方法よりも費用を抑えやすいですが、実際にどのくらいの費用がかかるのか気になる方も多いでしょう。
まず、従来の太陽光パネルの点検費用の相場は以下のとおりです。
一方、ドローンによる太陽光パネルの点検費用の例は以下のとおりです。
このように、従来の点検方法と比較して、ドローンで行う太陽光パネルの点検は、点検コストの削減につながることがわかります。とくに、規模の大きい太陽光パネルの点検は、金額差が生じやすいといえるでしょう。
今回は、ドローンによる太陽光パネルの点検について解説しました。
近年では、太陽光パネルの点検にかかる時間や費用の削減、安全性向上などさまざまなメリットが期待できることから、ドローンを使って点検を実施するケースが増えています。
しかし、天候に左右されやすかったり、自力で点検を実施するのはむずかしかったりするといった注意点もあるため、太陽光パネルの点検に求める要素を見極めて、点検を実施するようにしましょう。
ぜひ今回の記事を参考に、ドローンによる太陽光パネルの点検を検討してみてください。
ドローンによる太陽光パネル点検だけでなくにドローンでできる点検の種類や事例についてくわしく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
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