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ドローンは建物の点検や建設現場の測量、映画やミュージックビデオの撮影など、さまざまなシーンで活用され始めています。
しかし、ドローンの飛行は法律や条例で規制されており、
「ドローンに関する規制ってどんなものがあるの?」
「ドローン規制に違反するとどうなるの?」
など、ドローンの規制について疑問を持っている方も多いでしょう。
そこで今回は、ドローンに関する規制について詳しく解説します。今後、ドローンを飛ばしてみたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
近年、身近な存在になりつつあるドローンですが、2022年に初の国家資格となるドローンの操縦ライセンス制度が設けられたり、無人航空機の登録制度が義務付けられたりと、法規制が本格化しています。
というのも、ドローンは普及が拡大している反面、関連する法律や条例の法整備が追いついていなかった背景があり、事故やトラブルが増加していました。そこで、ドローンを飛ばしたときに事故やトラブルを起こさないよう、安全確保を目的に法規制が強化されたのです。
実際に、平成27年4月には、総理官邸屋上で所有者不明のドローンが発見される事件が起きました。
ドローンの規制を行わないままでは、国の重要機関の情報が盗まれたり、攻撃されたりする可能性があることに加え、衝突事故やトラブルが増えることが想定されることから、法規制が本格化された背景があります。
では、日本のドローンの飛行にはどのような規制があるのでしょうか。
ドローン規制に関係する法律や条例は以下の6つです。
どの法律や条例においても、ドローンを飛ばしたときに事故やトラブルを起こさないよう、安全確保を目的にルールが決められています。
では、それぞれの法律や条例において、具体的にどのような規制が設けられているのか見ていきましょう。
ドローン規制に関する代表的な法律として、国土交通省が管轄となる「航空法」が挙げられます。
航空法では、ドローンのほか、航空機の安全確保や航空活動の管理を目的として、ヘリコプターや飛行機に関しても飛行ルールが定められています。そして、航空法において、ドローンを飛行させるときに守るべき規制は「飛行禁止空域」と「飛行方法」の2点です。
【航空法に記載されているドローンの飛行禁止空域】
航空法では、以下のとおりドローンの飛行禁止空域が決められています。
空港やヘリポートの近くでドローンを飛ばした場合、飛行機やヘリコプターと衝突する可能性があることから、原則ドローンの飛行が禁止されています。
また、ドローンを地上や水面から150m以上の高さで飛ばすのも禁止です。飛行機やヘリコプターなどと上空で衝突するのを防ぐためであるほか、故障したドローンが高い所から落ちると事故のリスクが高まるためです。
そこほか、人がたくさん住む地域の上空や、緊急時に警察や消防の航空機を飛行させる空域もドローンの飛行が許可されていません。
ただし、飛行禁止空域に定められている場所でも、国土交通省の許可を取ればドローンの飛行が可能となります。
【航空法に記載されているドローンの飛行方法に関する規制】
航空法では、以下の飛行方法を禁止しています。
上に記載しているとおり、航空法では、安全確保を目的にドローンの飛行方法に関しても規制を設けています。ただし、「薬物および飲酒時の飛行」以外の飛行方法については、国土交通省の承認を得られれば飛行可能となります。
なお、航空法の定める飛行空域や飛行方法に関する規制は、以下のケースに該当する場合は対象外となります。
「小型無人機等飛行禁止法」はドローンの飛行空域を制限する法律です。
国の重要施設や防衛関連施設、空港などの上空と周辺300mをドローンで飛行しないよう定めています。
【対象施設の例】
ただし、対象施設の管理者や管轄の警察署に申請を行い、許可を得られればドローンの飛行が可能となるケースもあります。
なお、航空法では100g以下のドローンは規制対象外でしたが、小型無人機等飛行禁止法では重量区分がないため、すべてのドローンが対象となります。
民法では、ドローンの飛行に関する規制を明記しているわけではありません。しかし、民法に土地の所有権が「その土地の地下・上空にまでおよぶ」と定められていることから、土地の所有者の許可なくドローンを飛行させた場合、トラブルになる可能性があるのです。
「私有地ならドローンを自由に飛ばしてもよい」と考えるのではなく、あらかじめ土地所有者から飛行許可を取るようにしましょう。
ドローンを飛ばすときは、電波法についても確認しておく必要があります。
電波法は、さまざまな機器から飛び交っている電波の周波数を区分けするよう定めており、ドローンや送信機についても一定の周波数帯が総務省から割り当てられています。
そこで、取り扱うドローンに「技適」というマークがあるか確認してみてください。技適とは、技術基準適合証明の略称であり、こちらの記載があれば正しい周波数でドローンを飛ばせます。
基本的に、大手メーカーのドローンには標準装備されていますが、海外製のドローンのなかには、技適マークが付いていないものもあります。知らないうちに法律違反になる可能性があるため、あらかじめ確認するようにしましょう。
道路交通法では、交通の妨げになるドローンの飛行を規制しています。
たとえば、道路上でのドローンの離発着や通行を妨げる低空飛行を行う場合、車や歩行者の通行を妨げたり、ドローンの離発着時に車を傷つけたりする可能性があることから、原則禁止となっているのです。
飛行方法 | 申請の要不要 | 申請方法 |
道路の上空での通常の飛行 | 不要 | ー |
道路でのドローンの離発着 | 必要 | 「道路使用許可申請書(2通)」と「道路使用許可申請書の添付書類」を管轄の警察署に提出して申請する |
ただし、管轄の警察署に申請を行い、道路交通法の「道路使用許可」を取得できれば、道路上でのドローンの離発着や低空飛行が可能となります。
これまで解説した航空法や小型無人機等飛行禁止法によるドローン規制のほか、都道府県や市町村が条例でドローンに規制を設けているケースもあります。
たとえば、三重県明和町では明和町斎宮きららの森管理条例で「無人航空機(ドローン、ラジコン機等)等それに類する物の使用はしないこと」と定めています。そのほか、栃木県小山市では渡良瀬遊水地の保全と再生及び賢明な活用に関する条例で「無人航空機及び同項の国土交通省令で定める機器を飛行させること」を禁止としています。
また、伊勢志摩サミットやG20大阪サミットなどが開催されたときは、関係する自治体が一時的にドローンの飛行を規制する条例を制定していました。
このように、都道府県や市区町村ごとに、ドローンの飛行に関する規制を設けているケースがあるのです。
航空法などでは規制の対象になっていなくても、条例の禁止区域でドローンを飛ばせば条例違反となるため、飛行前の確認が必須だといえます。
関連記事:ドローンの飛行に申請は必要?条件や申請方法、ポイントを徹底解説
近年、ドローンの普及が進んでいる反面、事故やトラブルが増加している背景があります。そこで、より安全なドローンの使用環境実現を目指して、2022年からドローンに関する規制が大きく変わりました。
では、2022年に改正されたドローンに関する規制とは何か、見ていきましょう。
これまでドローンに関する民間資格はありましたが、2022年に初の国家資格となるドローンの操縦ライセンス制度が設けられました。
ドローンの操縦は免許や資格が必須ではないものの、国家資格を持っていることでドローンを飛ばすときの申請が簡単になったり、難易度の高い有人地帯での目視外飛行が可能となったりします。
なお、有人地帯での目視外飛行は、国家資格の一等ライセンスを取得した者のみが可能になり、国家資格を取得することで、ビジネスチャンスが広がるなどのメリットが期待できます。
国家資格と民間資格の違い、国家資格の詳しい内容などについては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:【2023年度版】ドローンの飛行には免許が必要?免許制度(国家資格)も解説
これまで、航空法では機体重量200g以上のドローンを規制対象としていましたが、2022年6月から「機体重量100g以上のドローン」が規制対象となり、航空法の対象となる機体が増えました。
この改正により、200g以下の機体は規制対象外だったのが、100g以上200g未満の機体も規制を守るよう法改正されたのです。
なお、機体重量はドローン本体とバッテリーの重さの合計で計算します。
2022年6月から、「無人航空機登録制度」の義務化が始まったことも変更点の一つです。
無人航空機の登録制度とは、所有者情報や機体の情報、使用者の情報などを、国道交通省の無人航空機登録原簿に登録することです。
近年、ドローンが普及拡大していると同時に、事故や危険飛行によるトラブルなども増加しています。そこで、ドローン1台1台の所有者や機体情報を明確にし、安全性の高いドローンの使用環境を実現しようという目的で、創設された制度です。
なお、登録対象となるのは、重量100g以上のドローンをはじめとする無人航空機です。例外なく、100g以上のドローンは登録が必要となるため、忘れず実施するようにしましょう。
2022年から改正されたドローンの規制について解説しました。
しかし、「そもそも、なぜドローンの規制が変わったの?」と感じている方もいるでしょう。ここでは、ドローンの規制が変更された理由を解説します。
ドローンは、今後さまざまな利用方法が見込まれています。
たとえば、人手不足となっている物流業界において、ドローンで荷物を運べるのではないかと期待されています。
しかし、航空法で「人口集中地区の上空の空域」が飛行禁止空域とされていることに加え、「目視外飛行」に該当する飛行方法も規制対象となっており、現状の法律では実現がむずかしいでしょう。
そこで、国家資格となるドローンの操縦ライセンス制度が設けられた背景があります。こちらの資格の1等ライセンスを取得すれば、有人地帯での目視外飛行が可能となります。
国家資格を取得すれば、市街地にドローンで荷物を届けられるようになるため、新たなビジネスチャンスが広がるでしょう。
ドローンの活用シーンを拡大していくためには、周囲の建物や物、人への安全に配慮しなければなりません。
そこで、機体登録の義務化がスタートしたり、以前よりも軽量のドローンも規制対象とする改正が行われました。
安全性が確認されたドローンだけが登録を受けられ、さらにより多くのドローンが規制対象となるため、危険飛行のリスクを軽減できるでしょう。また、万が一、ドローンが事故やトラブルを起こした場合でも、機体登録が行われているため、すぐに所有者や機体情報がわかります。
このように、ドローンの普及拡大に向けて、安心安全な社会を実現することを目指して、ドローンの規制が変更されたのです。
「もし、ドローンの規制に違反するとどうなるの?」
「厳しい罰則があるの?」
と不安に感じている方もいるでしょう。
最後に、ドローンの規制に違反するとどうなるのかを解説します。
航空法や小型無人機等飛行禁止法などのドローン規制に違反して、飛行禁止空域にドローンを飛ばしたり、夜間飛行を実施したりした場合、警察官から機器の退去を命じられる可能性があります。
また、警察官の命令を無視した場合、警察官は飛行の妨害やドローンの破壊を行うことを認められています。
航空法や小型無人機等飛行禁止法の規定に違反した場合、罰金や懲役を受ける可能性もあります。
たとえば、小型無人機等飛行禁止法で禁止されている場所に、許可なくドローンを飛ばした場合、1年以下の懲役または55万円以下の罰金が科せられます。
このように、ドローンの規制に違反した場合、厳しい罰則を受けるケースがあるため、法律や条例を十分理解したうえで、ドローンを扱うことが大切です。
今回は、ドローンの規制について解説しました。
ドローン規制に関係する法律や条例は以下の6つです。
ドローンを飛ばすときは、複数の法律や条例の内容を正しく理解したうえで、ルールを守って飛行させなければなりません。
また、2022年に改正された規制もあるため、最新の情報をチェックしておくようにしましょう。
ぜひ今回の記事を参考に、ドローンの規制について理解したうえで、ドローンを活用してみてください。
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