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日本では瓦屋根が古くから採用されており、今でも多くの戸建て住宅で瓦が使われています。ただ、ひとえに瓦屋根といっても、さまざまな種類がありそれぞれ特徴が異なります。
そこで、今回は瓦屋根の種類や特徴、瓦屋根を採用するメリット、デメリットに加え、どのようなメンテナンスが必要かを見ていきましょう。さらに、瓦屋根のメンテナンスにかかる費用相場も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
瓦屋根で使われている瓦には、いぶし瓦や素焼き瓦、セメント瓦や釉薬瓦など主に4つの種類があります。
ここでは、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
いぶし瓦は粘土を瓦の形に成形して焼き上げられた伝統的な屋根材である粘土瓦の中で10%程度のシェアがあり、多くの住宅で採用されています。いぶし瓦の「いぶし」とは燻すが語源となっており、土を焼いたあとに燻化させて作ることから、いぶし瓦と呼ばれています。
燻す工程で瓦の表面に炭素の膜ができて、黒と銀色が混ざったような色味になるのが魅力的です。また、耐用年数は30~40年程度といわれており、防水性が高いのもいぶし瓦の特徴といえるでしょう。
素焼き瓦はいぶし瓦と同じく粘土瓦の一つであり、粘土を焼成して作る瓦です。燻す工程がなく、瓦の表面に炭素の膜ができないので、いぶし瓦とは違い粘土そのものの色に仕上がります。
陶器瓦と比べると耐久性は劣るものの、鮮やかな色合いが特徴で建物全体が明るい雰囲気になるのが素焼き瓦の特徴です。
セメント瓦は文字通り、セメントで作られた瓦です。粘土瓦よりもコストを抑えられるのが特徴ですが、耐久性が粘土系よりも劣ってしまうことから、最近ではあまり使用されていません。
なお、セメント瓦のほかに、セメントに砂利を加えて作るモニエル瓦というものもあります。モニエル瓦はもともと日本モニエル株式会社が製造、販売していましたが、すでに廃業しており、現在は販売されていません。
釉薬瓦は、表面に釉薬(ゆうやく)というガラス質の薬剤を塗って製造する瓦です。釉薬が瓦の表面を覆うことで、耐久性が向上し、色合いが鮮やかで美しい仕上がりになります。製造方法が陶器を作る工程と似ていることから、釉薬瓦のことを陶器瓦と呼ぶことがあります。
釉薬瓦は、素焼き瓦に比べて水分を吸収しにくいので防水性、耐久性が高いのが特徴です。耐用年数は50~80年以上とも言われており、他の瓦よりも圧倒的な耐久性を誇ります。
瓦屋根の特徴は理解できたものの、実際どのようなメリット、デメリットがあるのか気になる人もいるでしょう。ここでは、瓦屋根を採用するメリット、デメリットについて紹介します。
瓦屋根は耐久性が高いだけなく、防火性にも優れています。釉薬瓦については50~80年以上の耐用年数と言われており、他の屋根材よりも優れた耐久性を誇っているのが魅力的です。
また、防火性や耐久性のみならず、遮音性や断熱性が高いのもメリットのひとつです。瓦屋根を設置するときに、瓦と下地の間に空気層ができます。その空気層によって外から音が伝わるのを防いでくれます。
また、空気層によって外気温が伝わりにくく、高い断熱性が確保されるのです。
一方、瓦屋根のデメリットとして挙げられるのが重さです。土葺きの瓦屋根の場合、1m²あたり約90kgの重量となります。戸建て住宅で幅広く採用されているスレート屋根は1m²あたり約20kg、金属屋根は1m²あたり約5kgとなっています。
屋根の重量が重くなると、建物の高い位置に重心がきてしまうので、地震が発生したときに揺れを強く感じやすくなります。そして、建物が大きく揺れて、瓦が落下するといったリスクも生じます。ただ、瓦のズレなどが発生しないように定期的なメンテナンスを行っていれば、リスクを軽減することは可能です。
スレート屋根や金属屋根などと比べると、耐久性が高いのが瓦屋根の特徴です。ただ、耐久性が高いからといって、メンテナンスをしなくてもいいというわけではありません。
ここでは、瓦屋根に必要なメンテナンスについて詳しく見ていきましょう。
瓦屋根は耐久性が高いものの、強い衝撃が加わると欠けてしまったり、割れてしまったりすることがあります。たとえば、台風などの自然災害によって、飛来物が瓦屋根に衝突して破損してしまうといったケースがあります。
そういった場合は、破損した瓦のみを新しいものに差し替えるのが一般的です。破損した状態で放置していると、破損箇所から雨水が入り込んで雨漏りの原因となってしまいます。そのため、定期的に点検を行い、トラブルを早期発見することが大切です。
屋根の最も高い部分には棟(むね)が設置されています。そして、棟の土台部分を守るために漆喰が塗りこまれているのが一般的です。
漆喰の耐用年数は10年程度と言われており、経年によって劣化が進行してひび割れが発生したり、漆喰が剥がれたりすることも少なくありません。
漆喰が劣化すると、棟を支えられなくなったり、ひび割れ箇所から雨水が入り込んだりするので、早急に補修する必要があります。
漆喰の補修方法としては、既存の漆喰を撤去して新しい漆喰を詰め直す方法が一般的です。
屋根の最も高い部分にある棟瓦は、土台にある漆喰の劣化に伴い、棟瓦全体が傾いたり、ゆがんだりすることがあります。漆喰のみが劣化している場合は漆喰の詰め直しで補修は可能ですが、棟瓦が傾いてしまった場合は漆喰補修のみでは根本的な解決ができません。
棟瓦が傾いたり、ゆがんだりした場合は、棟瓦を積み直す必要があります。修理せずに放置していると、瓦が崩れて落下するといったリスクがあるので非常に危険です。
瓦自体の耐用年数自体は長いものの、下地部分の防水シートなどは20~30年程度で劣化してしまいます。
瓦自体に異常がなくても防水シートが劣化していると、そこから雨漏りが発生する可能性があるので、定期的にメンテナンスしなければなりません。
瓦屋根の葺き直しとは、既存の瓦をすべて撤去して、下地の防水シートを新しいものに交換してから瓦を元に戻すといった補修方法です。防水シートの耐用年数に合わせて、葺き直し補修を行うのがいいでしょう。
既存の瓦を再利用するのが葺き直しであるのに対し、すべての瓦を新しいものに交換するのが葺き替えです。瓦の耐用年数を迎えていたり、瓦に破損や劣化が見られたりする場合は葺き替えを検討しましょう。
セメント瓦の場合は、10~15年ほどで表面の塗膜が劣化して防水機能が低下してしまいます。そのため、10~15年に一度の頻度で塗装が必要です。
また、耐用年数に達していなくても、瓦が色あせていたり、塗膜に剥離が見られたりするときは、塗装してメンテナンスすることが大切です。
耐久性の高い瓦屋根であっても、定期的なメンテナンスが必要なことは理解できたでしょう。ただ、どれくらいの周期でメンテナンスすればいいかわからない人も多いのではないでしょうか。
ここでは、瓦屋根の寿命に加え、メンテナンスしないとどのようなトラブルが引き起こされるかを紹介します。
瓦屋根の寿命は瓦の種類によって異なるものの、いぶし瓦は30~40年程度、釉薬瓦は50~80年程度、セメント瓦は10~15年程度と言われています。
屋根自体の耐久性は高くても、下地の防水シートは屋根よりも短い頻度でメンテナンスが必要です。また、棟の土台部分である漆喰についても10年程度でメンテナンスしなければなりません。
屋根のメンテナンスには費用がかかることから、メンテナンスをせずに放置しておく人もいるかもしれません。ただ、いくら耐久性が高いといっても、定期的にメンテナンスしなければ大きなトラブルを引き起こしてしまう可能性があります。
たとえば、台風や強風によって飛来物が屋根に衝突し、瓦が破損した場合は、そこから雨水が浸入して雨漏りが発生することがあります。また、破損した瓦を放置していると、落下する恐れがあり、下に人がいると大きな事故になる可能性もあるでしょう。
そのほか、棟の土台である漆喰が劣化しているのを放置していると、棟がどんどん傾いて落下する危険性もあります。
瓦という素材自体の耐久性は高いものの、その周辺の建材が劣化していたり、外的要因で瓦が破損していたりすると、大きなトラブルを引き起こす可能性があるので、定期的にメンテナンスすることが大切です。
瓦屋根のメンテナンスは内容によって異なります。以下、メンテナンスにかかる工期の目安です。
補修内容 | 工期 |
葺き替え | 10~14日 |
塗装 | 10~14日 |
棟の葺き直し | 1~3日 |
部分補修(漆喰補修) | 1~2日 |
漆喰補修などの部分的な補修であれば、1~2日程度で補修が完了します。しかし、屋根全体を塗装したり、葺き替えしたりする場合は10日以上の日数がかかることも少なくありません。
瓦屋根のメンテナンスにかかる費用は、補修内容によって異なります。ここでは、部分修理、葺き直し、葺き替えにかかる費用の目安を見ていきましょう。
ひとえに部分修理といっても、雨漏り修理や雨樋修理、漆喰補修などさまざまな工事内容があり、それぞれ費用の目安が異なります。
たとえば、漆喰補修の場合は6~20万円、雨樋修理は5~10万円、雨漏り修理は10~50万円程度の費用がかかります。そのほか、瓦の差し替えについては5万円程度/5枚です。
既存の瓦を再利用する葺き直しにかかる費用は、建物の面積が100m²ほどで約70~150万円かかります。
葺き替えとは異なり、既存の瓦屋根を再利用するので、材料代を抑えられるのが特徴です。
既存の屋根材を撤去して新しい屋根材を設置する葺き替え工事では、建物の面積が100m²ほどで約100~240万円かかります。
工事金額には足場代や新しい屋根材代が含まれるので、建物の階数や大きさ、選択する屋根材の種類によっても金額が大きく変わります。
瓦屋根のメンテナンスでは、まずドローン点検を行うのがおすすめです。ドローンを使えば、人が屋根に登ることなく瓦屋根の状態を確認できます。
屋根に登らなくていいので、屋根材を破損させるリスクがなくなるのはもちろん、足場を設置しないで済むことから調査費用を抑えられるのが特徴です。
定期的にメンテナンスすることで、屋根の状態をいい状態に保つことができ、家の寿命を延ばせます。まずはドローン点検を行い、今の屋根の状態を確認してもらうのがおすすめです。
ドローンによる屋根点検については、以下の記事で詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
参考記事:ドローンによる屋根点検のメリット・デメリット!費用相場や点検の流れについても解説
人が屋根に登るよりも、ドローン点検を行うほうがさまざまなメリットがあります。ここでは、ドローン点検の3つのメリットを見ていきましょう。
屋根に登って点検するときは足場を組む必要があるので点検費用が高くなることも少なくありません。
しかし、ドローン点検であれば人が屋根に登らずに済むので、足場を組む必要がなく点検費用を抑えられます。
人が屋根に登って点検する場合は、瓦を踏んだときに破損させてしまうリスクがあります。
しかし、ドローンを使えば、空中から屋根の点検ができるので人が登る必要がなく、瓦を割る心配もありません。
屋根の点検は高所作業になるので、点検する人の事故のリスクが高まります。もちろん、足場を組む、命綱を装着するといった対策はしていますが、転落してしまう可能性はゼロではありません。
ドローンを使った点検であれば、リモコンでドローンを操作して屋根を点検できるので、人が屋根に登る必要がなくなり、事故が起きる可能性が減るといったメリットがあります。
屋根の点検やメンテナンスを依頼しようと思っているものの、どこの業者に依頼すればいいかわからない人もいるでしょう。ここでは、瓦屋根のメンテナンスに対応している業者を紹介します。
家を建てたときのハウスメーカーでも瓦屋根のメンテナンスに対応してくれます。ただ、ハウスメーカーの場合は、自社でメンテナンスの対応をするのではなく、他の業者に委託するケースも少なくありません。
実際の作業を外注するので、中間マージンが発生し、その分費用が割高になることも多いです。
地域密着型の工務店でも瓦屋根のメンテナンスが可能です。しかし、業者によっては、ハウスメーカーと同様に実際の作業を外注するケースもあるので、そういった工務店の場合は費用が高くなります。
ただ、中には自社施工で対応してくれるところもあるので、そのような工務店に相談すれば費用を抑えられるでしょう。しかし、工務店はあくまでも家を建てるのが本業なので、屋根の補修を専門としているわけではありません。そのため、業者によって技術の差がでやすく、品質にばらつきがあることも留意しておく必要があります。
屋根専門業者は、屋根のリフォームや点検、メンテナンスを専門にしている業者です。屋根の補修工事に関する知識が豊富にあり、さまざまな角度から予算や希望に合わせて提案してくれるでしょう。
ただ、ひとえに屋根専門業者といっても、知識や経験に差があることも少なくありません。そのため、まずは屋根専門業者のホームページを確認して、過去の施工事例をチェックし、ドローン点検してもらうのがおすすめです。
瓦屋根は耐久性が高く、種類によっては50~80年以上の耐用年数があるものもあります。ただ、瓦自体の耐久性が高くても、下地の防水シートなどは定期的にメンテナンスしなければなりません。
また、台風などで飛来物が瓦に衝突して破損してしまった場合についても、早急に修理する必要があります。瓦屋根の修理には、ハウスメーカーや工務店、屋根専門業者が対応してくれます。
まずは気になる業者にドローン点検を依頼して、屋根の状態や補修が必要かどうかを確認してもらいましょう。